プリスクールとはどんな学校?といった疑問から、プリスクールに通うメリットやデメリットまで詳しく知りたい方向けに書きました。
幼稚園や保育園を選ぶなかで、プリスクールも選択肢に入れているという方にぜひ読んでいただきたいです。
英語を学んでほしいからプリスクールに通わせると単純に考えてしまうのは、もったいないです。
後悔しないプリスクールや英語教育をする保育園・幼稚園を選ぶために、
幼稚園や保育園と、プリスクールの違いを知った上で、比較してみてはどうでしょうか。

プリスクールの園長先生
10年以上園長をしている
さおりさんの隣の家に住んでいる
さおりさん
1歳児の母
育休をして3ヶ月
プリスクール探し中
※この記事の情報は2020年10月の情報です。
最新の情報は各自治体にお問い合わせください。
プリスクールとは?
プリスクールとは、カリキュラムの大半が英語で行われる未就学児のための施設のことをいいます。
日本にある多くのプリスクールは未就学児(3歳~5歳)を対象に受け入れています。
しかし、0歳から児童の受け入れを行っていたり、幼稚園や保育園としての役割を担っていたりするプリスクールもあり、施設によって受け入れている年齢も異なります。
また、最近は民間企業がプリスクールを開園するようになりました。ショッピングモール内や山や森といった自然のなかでプリスクールが開園されるようになり、学校全体の雰囲気もより多種多様になりました。
プリスクールが多種多様な保護者のニーズを満たすようになると、保育園や幼稚園の代わりにプリスクールに通わせようとする保護者も増えてきました。
加えて、2019年10月に文部科学省が保育無償化が始めると、これまで費用面で入学させることを諦めていた家庭もプリスクールも保育施設の選択肢のひとつとして考えられることになりました。
これによって費用面でプリスクールに通わせるのを断念していたご家庭も選択肢のひとつとして考えるようになりました。
プリスクールは何が他の保育施設と違うのか、プリスクールに通わるメリットやデメリットを詳しく解説します。
他の保育施設との違い
プリスクールと保育園・幼稚園の違い
①生活を通して英語を身に着けるイマ―ジョン教育
一番の違いは、多くのプリスクールではイマージョン教育がなされているという点です。
イマージョン教育とは、 英語をコミュニケーションツールのひとつと捉え、普段の生活を英語を使って過ごすことです。園内での活動を英語で行うことで、園児が自然と英語を学ぶことができます。
近年は英語の歌や踊りをカリキュラム内容に組み込む保育園や幼稚園も多いですが、実際に普段の生活を通して英語を使うという点で保育園や幼稚園と異なります。
いくら受験問題が解けるようになっても、話したり聞いたりできないとと思います。
②自治体の認可を受けていない認可外保育施設が多い
プリスクールの多くが保育園や幼稚園のような認可施設でなく、認可外の保育施設であることも違いのひとつです。
自治体の認可を受けているかどうかで、保育施設に対して配布される補助金・施設に通う家庭に支給される補助金に違いがあります。
ほとんどの保育園や幼稚園は、自治体から認可を受けていることが多いです。自治体の認可を得るには、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、衛生管理など)をクリアすることが必要です。
対してプリスクールは、自治体が定める全ての基準を満たすことが難しいです。プリスクールが認可を得にくい理由としては、独自のカリキュラムを組んでいる学校が多いことがあります。
①生活をとおして英語を身に着けるイマ―ジョン教育でも触れたように、学校生活を通して英語を身に着けることがプリスクールの特徴で、その独自の教育方法を実現するための独自のカリキュラムを用意していることが多いです。
また、駅から近い場所に開設されるプリスクールが多いことも理由のひとつです。駅から近い場所だと広い施設面積を取ることができず、施設面積の点で基準を満たすことが難しいです。
※認可外保育施設の場合、国や自治体からの補助金が受けられないとされていますが、2018年5月に可決された改正子ども・子育て支援法の対象にはあたるとされています。具体的には、全額無償化とまではいかないもののある程度の資金援助はあるようです。
総じてですが、認可外保育園施設といえど認可保育所に準じた安全基準を設けて遵守している施設がほとんどです。認可外保育施設だから不安になるのではなく、実際に先生や校長先生とコミュニケーションをとったうえで信頼できる施設にお子さんを入学させてあげましょう。
随時見学を受け入れているプリスクールがほとんどなので、実際に足を運んでみては!
プリスクールと保育園や幼稚園の比較について詳しく知りたい方はこちらを参照してください。
プリスクールと英会話教室の違い
プリスクールと英会話教室は英語を習得するプロセスが異なります。
プリスクールは学校生活を通して英語を習得するのに対して、英会話教室は週に数回のレッスンを通して集中的に英語の学習を進めるという点で異なります。
プリスクールでは、英語をコミュニケーションツールのひとつとして生活に組み入れることで、相手の視点にたった伝え方や説明の組み立て方を身に着けていきます。
また、単に英語の勉強をするのではなく、生活を通して英語を学ぶことで児童の英語に対するハードルを下げることが期待でき、児童が英語嫌いになる可能性も低くなります。
加えて、英語に触れ合う時間が多いのもプリスクールの特徴です。英会話教室は週に多くても5時間程しか英語を話す時間がないと言われます。プリスクールでは毎日長時間英語に接するため、英語の上達スピードも非常に早くなります。
逆に少しずつ英語に触れていきたいというご家庭は英会話教室の方がいいのかも!
プリスクールとインターナショナルスクールの違い
プリスクールとインターナショナルスクールでは、対象としている児童の層が異なります。
インターナショナルスクールは「英語を母国語としている子ども」を対象にしているのに対し、プリスクールは「日本語を母国語としている子ども」を対象にしています。
対象が違うと主な目的も異なり、インターナショナルスクールは「幼少期を海外で過ごした子どもが日本でストレスなく生活を送ること」であり、プリスクールは「学校生活を通して英語を習得する」ということを主な目的としています。
インターナショナルスクールは歴史も長く、親に対しても英語力をもとめることが多いためハードルは高いといえます。親の駐在などで海外で幼少期の大半を送っていた児童が多く、入学時までにに高い英語力を持っていないと入学しても他の子についていくの精一杯になります。
プリスクールのメリット
①言語習得に最適な時期に英語学習を始めることができる
年をとるにつれて脳細胞の活発度合いは下がり、言語を習得するのが難しくなります。ある論文によると、脳細胞の活発度合いが盛んな3歳~5歳が一番言語習得に最適な時期であるとされています。
脳細胞が活発化する時期に英語に囲まれた生活をすることで、英語をスムーズに習得することができます。
上記の「英会話教室との違い」でも書いたようにプリスクールは英語に触れる時間が長いことが特徴です。
子どもが自然と発音などを身につけるにあたって長く英語に触れ合うということは非常に大切です。
この記事を読んでいる人で「子どものころに英語を学習しておけばよかった」と後悔している方も多いのではないでしょうか。
発音に寛容な国も多いですが、発音に厳格な国もあるので、やはりいい発音ができる人をみるとうらやましくなります。。
ご自身のお子さんが大人になった時に同じような後悔をしないためには、プリスクールが最善の選択肢であると言えます。
②幼少期に多様性に寛容な価値観を育むことができる
幼少期の経験は、その人の価値観に大きな影響を与えます。
大人になってもふとした時に幼少期や保育園経験を思い出すことがあるのではないでしょうか。
小さい頃の経験は、その人の潜在的意識に根付いており、大人になってから変えようとしても難しいです。
その点でいうと、プリスクールは幼少期からグローバルな価値観や表現に触れることのできる機会だと言えます。
小さい頃からグローバルな環境に身をおくことで、広い視野を手に入れたり、多様性に寛容な価値観を身につけることができます。
また、プリスクールでは多文化に触れ合う機会も多く、自分が生まれ育った国を客観的に見る貴重な経験をすることができます。
幼稚園や保育園では体験できない経験を積むことができ、他の同年代の子どもに比べても貴重な時間を過ごすことができると言えるでしょう。
グローバル化の社会において、そのような経験は今後も重宝されるといえます。
③コミュニケーションのひとつとしての言語を学ぶことができる
プリスクールでは、外国人と日頃から直接コミュケーションを取る必要があります。
互いに理解するために慣れていない言語を使わないといけない状況下では、「どうすれば相手に伝わるのか」「どのような説明の仕方をすればいいか」など子ども自身で考えるようになります。
そのような試行錯誤を通して、子どもは本質的なコミュニケーション力を習得することができるといえます。
まだ先の話にはなりますが、社会や企業がこれからの世代に何を求めるかについて知っておく必要があります。下のグラフを見るとわかるように、企業が新卒社員に求めているのは圧倒的に「コミュニケーション能力」です。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf
(経団連:新卒採用に関するアンケート結果)
社会が複雑化していくなかで、部署や会社を超えた協力が必要となっているため、このように「コミュニケーション力」が求められている結果になっています。
お子さんの将来を考えると、コミュニケーション力の向上という点でもプリスクールは非常に良い機会です。
プリスクールのデメリット
①広い校庭や給食などの制度が整っていない場合がある
プリスクールは認可外保育施設のため、給食がなく弁当持参の施設も多いようです。施設内で購入できる場合もあるようですが、栄養バランスの点で給食には劣るという話も聞きます。
また、プリスクールは駅近に建てられることが多いため、広い校庭がない学校も多いようです。場所や施設にもよりますが、広い校庭で子供が走り回れるような施設を探すのは難しいかもしれません。
②保育園や幼稚園に比べて費用がかさむ
プリスクールは一般的な保育園や幼稚園に比べて費用がかかると言われています。
英語を学習できる環境を作るためには、英語がネイティブな講師を採用したり英語で事務業務をしたりする必要があるからです。
それぞれの施設の一般的な費用を比較をすると以下のようになります。
志願時 | 入学時 | 授業料 | 初年度合計 | |
---|---|---|---|---|
保育園 | 無償 | 無償 | ||
幼稚園 | 2万円 | 20万円 | ||
プリスクール | 3万円 | 30万円 | 150万円 | 183万円 |
※2019年10月から実施されている保育無償化によって、ご家庭の負担が軽減されます。
保育園は基本的に無償で、幼稚園については月の平均授業料分の補助を受けることができ、基本的に無償で通うことができます。
※認可外保育施設のひとつであるプリスクールも、自治体の条件を満たせば月額37,000円分の補助を受けることができます。
(参考)https://venture-finance.jp/archives/21307
料金が高いなと感じる人は、週に通う頻度を下げることで節約することができます。
以下に2~3歳の子供がプリスクールに通った場合の料金です。
プリスクールに通う頻度 | 想定費用 |
---|---|
4時間×週1日 | 約2.6万円 |
4時間×週2日 | 約4.5万円 |
4時間×週3日 | 約6.7万円 |
4時間×週4日 | 約8.6万円 |
4時間×週5日 | 約10.4万円 |
実際に問い合わせてみて、予算に合うかどうか調べてみることをおすすめします。
③日本語の発達が遅れる?
幼少期に複数の言語を一緒に学ぶことで、母語の運用能力の発達が遅れてしまうという心配をする人は非常に多いです。
しかし、今では海外の研究結果などにより、それは誤解であることがわかりました。
アクセントや発音という点で混同する場合はあるようですが、複数の言語を習得することで得られる、クリエイティブな思考や問題の解決能力、マルチタスク能力の向上といった良い影響の方が大きいと言われています。
また、言語を学習する場は学校のみと思われている方も多いようですが、学校外の家庭での時間も言語習得をするにあたって重要な時間です。
家族とのやりとりなど学校外の過ごし方を工夫することで、英語と日本語を同時に効率力学習することができます。
まとめ
プリスクールは英会話スクールなどと比べるとまだまだ知名度が低いですが、魅力的な点が非常に多いです。
「将来的にグローバル社会で活躍する人材に育てたい」
「英語を習得することで、子供が将来選ぶことのできる選択肢を増やしたい」
「周りの子供より早めに英語学習を始めたい」
など幼少期から英語学習を始めさせたいという親の思いは様々だと思います。
プリスクールの中でも、ネイティブ講師の数や生徒に求める英語レベルなど学校によって特徴が違います。
それぞれの特徴を比較しながら、ご自身のお子さんに最適な学校を見つけてください。
お子さんを通わせる前に実際に校長先生や教師の方々と話して、懸念点をなくすようにしましょう。