幼児の早期英語教育のメリットとデメリット

早期英語教育とは「中学校入学前から英語学習を行うこと」とされています。

ただ、2020年から始まっている英語教育改革では、小学3年生から外国語活動が始まり、小学校5年生ではより本格的な授業を履修するようになります。

小学校から英語学習をするのが当たり前になっているため、えいごキッズパークでは小学校入学する前の幼児期の英語教育を「早期」英語教育としています。

 

今回は、早期英語教育について、そのメリットやデメリットについてまとめました。

この記事では、1歳のお子さんを持つ「さおりさん」とプリスクールの園長をしている「ふみ先生」のやりとりを通じて、トピックに関する理解を深めていきましょう。

 

 
さおり
帰国子女の子が、流暢に英語を話しているのを見ると、私も小さいときから英語に触れられる環境にいたらなと思ってしまいます。
 
 
ふみ先生
私も羨ましいなって思ったことがあります。
プリスクールに通っている子供の保護者は実際にそういった体験をした方も多く、将来のキャリアパスを広く考えられるようにと早期英語教育を始められる方が多いです。
 
 

早期英語教育のメリット

プリスクール風景(6)

ネイティブに近い発音や英語耳を手に入れることができる

「英語学習は早ければ早い方がいい」というのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

これは、発音などの技能的な部分について、一定程度科学的に正しいとされています。

ある論文によると「10歳を過ぎてから言語学習を始めても、その言語を完璧に習得することはできない」と言われています。

 

では早期英語教育において、実際には何歳のときに英語学習を始めるのがベストなのでしょうか。

結論からいうと、科学的には3歳~5歳の間に英語学習を始めるのが、早期英語教育には適切だといわれています。

なぜなら3歳〜5歳は学習能力が非常に高い時期で、英語耳ネイティブに近い発音を手に入れられる可能性が高いと言われているからです。

 
さおり
3歳や5歳だと、言葉を理解するようになる時期ですね。
1歳の息子には、まだ英語教育は早いかな。
 

 

0歳~2歳の間は、周りに入ってくる音を吸収して情報を集めようとしている段階で、まだ言葉を使うには至っていません。

3歳~5歳になって、お母さんや周りの人の話す言葉を聞いて会話を学習するようになると、周りの音を言語として学習するようになり、英語学習の効果も出やすいと言われます。(※発達段階については、個人差があります。)

また、3歳~5歳は脳細胞が非常に活性化される時期です。

歳をとるにつれて脳細胞の活発度合いは下がり言語学習能力も下がってしまうので、脳細胞の活動が活発である3歳~5歳に英語を学び始めることが効果的だと言われています。

 

例えば、子音で終わる単語の聞き分けや、rとlの発音など、日本語にない聞き分けや発音の習得は、大人になってからでは難しく、早期英語教育を始めることでそれらの発音や聞き分けができる可能性が高くなります。

 

 
ふみ先生
実際に外国に行って発音が悪いなんて言われることはもうなくなったみたいですが、いい発音ができるとお子さんが自分の英語に自信を持つようになります。

 

まとめると、早期英語教育をすることで、吸収能力の高い年代に学習ができ、ネイティブに近い発音や聞き分け能力を得ることができます。

 

コミュニケーション能力の伸長

英語は日本語と同じで、自分の思ったことや感じたことを伝えたり、相手から聞いたりするコミュニケーションの手段です。

母国語ではない言語を通してコミュニケーションをすることで、どうすれば相手に伝わるか考えるようになります。

 
ふみ先生
プリスクールを卒業していった子供たちのコミュニケーション能力が非常に高いのを毎年実感しています。
 
 
さおり
デジタル化が進んで、コミュニケーションが希薄だといわれることも多いですが、幼少期からしっかりとコミュニケーションの大事さを肌身で体感しておくことって重要ですね。

 

「どう伝えたら相手に自分の気持ちを伝えることができるか」

「どのようにお願いすればいいか」

というように、英語というコミュニケーション手段を通して、コミュニケーション能力を養う機会を与えることができます。

 

また、コミュニケーション能力がアップするだけでなく、英語の文化に触れることで、他文化に寛容な感性を育むことができます。

プリスクールやインターナショナルスクールでは、英語を母国語として話す外国人の方が在籍することが多いですが、出身国は様々です。

スクールの先生から、いろんな国のことを直接聞くことで、外国文化に対する興味や関心も高まります。

 

小学校から始まる英語学習をスムーズに始めることができる

ご存知の方も多いと思いますが、2020年度から文部科学省が英語教育に本腰を入れた英語教育改革が始めています。

各自治体によってそのスピードはまちまちですが、2021年度には多くの学校で英語教育が変わります。

 

この英語教育改革では、小学校高学年から動詞の過去形や疑問視などより本格的な学習をするようになります。

 

 
さおり
小学校に上がる前に、少しでも英語ができるようになっていれば、小学校から活躍できちゃいますね!
 
ふみ先生
そうですね、実際その通りで学校での成功体験を通じて英語が好きになっていくお子さんも多いです。

 

今後大きく変わっていく英語教育に先立って、幼少期から英語学習を始めることで良いスタートを切りたいですね。

 

早期英語教育のデメリット

プリスクール風景(7)

セミリンガルになってしまう可能性?

最近では、幼少期に英語教育ばかりに注力しすぎるあまり、母国語の日本語の学習がおろそかになってしまった子供についてテレビやメディアも取り上げられるようになりました。

このように母国語も第二外国語も十分なレベルに達していない状況をセミリンガル(ダブルリミテッド)といいます。

 

 
さおり
テレビで幼少期を海外で過ごしたせいで日本語が不十分なタレントを見ると、心配になってしまいますね。。

 

 
ふみ先生
幼少期に2ヶ国語学ぶことは、非常に負担が大きいです。ご家庭でサポートしながら英語力を培っていくという考え方が大事になります。

ただ、このセミリンガルですがご家庭でのコミュニケーションの努力次第で、子供をバイリンガルに育てることも可能です。

セミリンガルになってしまうご家庭の多くは、お家での時間に母国語でのコミュニケーションを十分に行わず、お子さんの母国語運用能力が上がっていないです。

 

そのため、ご家庭で蜜なコミュニケーションと取っていただくことで、母国語の日本語と英語、両方のバランスがとれた子供に育てることができます。

 

英語嫌いになってしまうお子さんも?

 
ふみ先生
親が英語教育をやらせるだけだと、子供の英語力が伸びるばかりか逆に低下してしまいます。
長年早期英語教育に携わりプリスクールの園長をしていますが、一度英語嫌いになった後にもう一度英語を好きになることはあまりないですね。。
 
 
さおり
確かに、、親の押しつけにならないようにとは気づかっていました。
子どもの将来のためを思っても、子ども自身にやる気がなければ効果的ではないですもんね


英語教育を子どもに押し付けるあまり、子どもが英語に拒否感を抱いてしまうということはしばしばあります。
英語は将来役に立つからと早期英語教育に高いお金を支払ってプリスクールや英会話教室に通わせても、逆に英語嫌いになってしまうなんでことも、、

特に英語に関して言うと、一度英語アレルギーになってしまうと、小学校以降の英語学習でもモチベーションがあがらず周囲と差が生まれてしまうこともあります。

重ねてになりますが、英語嫌いになってしまう一番の理由は、親の気持ちの押し付けにあることが多いです。
幼児のモチベーションが低いのに、早期英語教育を意識するあまり英語学習を強要してしまっては意味がありません。

プレッシャーを与えて過度に子どもに結果を求めるのではなく、子どもの学習意欲と向き合いながら自発的な英語学習を促すことが一番重要です。

幼少期から英語を学ぶことは義務ではありません。
コミュニケーションを通して楽しく英語を学ぶといったコンセプトのプリスクールも増えてきました。

子どもが生き生きと英語を学ぶことができるのかという観点で、プリスクールを探してみてはどうでしょうか。

グローバルに見る日本の英語教育

早期英語教育に対する文部科学省の見解

平成23年度より、小学校において新学習指導要領が全面実施され、第5・第6学年で年間35単位時間の「外国語活動」が必修化されました。

文部科学省HP「小学校外国語活動」より

上記の通り、2011年からすでに小学校での英語学習が少しずつ始まっていますが、「2020年には小学校3・4年から英語が外国語活動となり、小学校5・6年からは英語が教科として授業が行われる」とされています。

今後海外からの旅行者や移住者が増えていくにあたって、英語の必要性はどんどん高まっていきまます。文部科学省の新要領を見据えて、早期から英語学習を始めることをおすすめします。

 

各国の英語力比較

 先進国のなかでも日本の英語力が圧倒的に低いと言われていますが、実際はどうなんでしょうか。

下の画像は、アジア各国のTOEFL iBTテストの平均値です。
一番右の列が合計点になっているので、そちらをご覧ください。

日本の平均点は71点で、90点のインドや89点のマレーシアと比べると非常に低いことがわかります。

参照元:Test and Score Data Summary for the TOEFL iBT Tests

 
さおり
日本の英語力ってこんなに低いんですね。。
 
ふみ先生
確かに他国と比較してみると低いですね。
ですが、英語力がある人材が多くない分、英語力があるだけで海外で周囲から一目置かれることもあるはずです。
英語を身につけておくことだけでも将来の日本を背負う人材になる可能性は十分にあります!
 

イマージョン教育とは

プリスクールを調べるに当たってこの言葉を何度か見たと言う人もいるのではないでしょうか。
英語をコミュニケーションの手段として、学校にいる間のコミュニケーションは全て英語で行う教育と捉えて問題ないと思います。

中途半端に英語を学習するのではなくて、自分の思いを伝えたり表現するためには英語を使わないといけないため、
学校生活を通して英語を習得していくという特徴があります。

子どもが感じる負荷はやや大きいですが、勉強のためと言う意識ではなく、
日々を過ごす中で徐々に英語でのコミュニケーションに慣れていくので英語嫌いになることも比較的少ないです。


ちなみに、イマージョン教育の「イマージョン」は英語で「浸かる」という意味です。
学校にいる間は英語にどっぷり浸かることで、自然なコミュニケーションを身につけるねらいがあります。

逆に言うと、英語を話さないといけない環境に身をおくことで、英語の上達スピードが格段に上がると言うわけです。

イマージョン教育の始まりは、カナダだと言われています。
公用語であるフランス語の習得させるために、国語以外をフランス語で学ぶことを決めたのがイマージョン教育ができた背景です。

その教育方法が今に至っても効果的とされており、日本のプリスクールでも採用している学校が多いです。

イマージョン教育を行う日本のプリスクールでは、ネイティブの先生と英語で会話をするだけでなく、昼休みなどの遊びやカリキュラムの歌やダンスを英語で行うことが多いです。
他の幼稚園や保育園が日本語で行っていることを英語でやるということでハードルは少し高いですが、それだけ英語に触れる時間が増えるということなので、上達も早いです。

簡単な挨拶や指示文を理解できるようになると、ネイティブの人とも会話が弾むようになって子ども自身も英語を学ぶことが楽しくなっていきます。

脳が柔らかてなんでも吸収する幼児期だからこそ、イマージョン教育を受ける意味があるのではないでしょうか。

まとめ

プリスクール風景(8)早期英語教育も一長一短で、お子さんの成長に合わせて通う時期を決める必要があるといえます。
日本語でのコミュニケーション能力や思考力は十分にあるのか、英語に対するモチベーションは十分にあるのか、ご家庭で話し合ってみるのもいいかもしれません。

また、小学校や中学校で英語教育が始まるからプリスクールに行くとなるのではなく、どういうお子さんに育てたいかという点も考えてみることをおすすめします。

実際のところ、英語ができるだけで選択肢が何倍にも広がります。
ご家庭の教育方針や考え方に近い学校があれば、ぜひ話を聞いてみてはどうでしょうか。

今回は、早期英語教育のメリットとデメリットをまとめて紹介いたしました。

 
さおり
親として子どもにどう育ってほしいかちゃんと考えることが大事だと思いました。
単純に我が子をプリスクールに通わせていてはだめなんだと、、
 
ふみ先生
そうですね、プリスクールに通わせることを決めても、そこからどのプリスクールに通わせるかも早期英語教育では大事なポイントです。
 
ふみ先生
英語嫌いになってしまわないか、子どもの負担になってしまわないか、など不安にさせたかもしれませんが、幼児期の早期英語教育を考えている方は、一度お近くのプリスクールで相談してみてはどうでしょうか。
プリスクールも幼児期の早期英語教育についてはプロで、そのような悩みを持ったご家庭に何度も出会っているので、きっとお悩みを解決してくれるはずですよ!
 
※この記事の情報は2021年7月の情報です。
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